「言葉を選んでいると、メール作成に時間がかかる」
「上司から『文章がわかりにくい』と言われた…」
自分の文章力や語彙力が幼稚だと気づくと「大人なのに恥ずかしい…」と思ってしまいますよね。
実は社会人には、学生時代の国語とは違う「ビジネスで評価される日本語力」が必要なのです。
今回は「日本語に自信がない」社会人向けに、大人の文章力・語彙力(ごいりょく)を磨く勉強法についてまとめます。
忙しい社会人でも日々の「読み・書き」を少し変えるよう意識するだけで、見違えるように大人っぽい言葉遣いになりますよ。
どうして社会人に「日本語の勉強」が必要なのか?
結論をまず書くと、社会人が日本語の勉強をすると「仕事の成果」に直結し、「大人の教養としての日本語」を学ぶことで人格面でも成長できます。
文章力・語彙力それぞれの大きなメリットは以下の2つです。
文章力のメリット
社会人が日本語を学ぶと、文章作成がスラスラとできるようになります。
特に文章で報連相(ほうれんそう)をする、あるいはメールを作成する際は作成スピードが上がり、時短=タイムパフォーマンスの向上にも繋がります。
また、他人が読んでもわかりやすい文章を作成できるため、周囲の人に配慮でき、ビジネスシーンでは一目置かれるようになることも。
現代は文章力のある社会人の存在は貴重なので、日本語を勉強し直して文章力が上がると、そのまま仕事の成果に直結するのです。
語彙力のメリット
語彙力とは「自分が知っている言葉の意味を正確に理解しつつ、状況に合わせて適切に使いこなす力」のこと。
ただ言葉を多く知っているだけではなく、仕事やプライベートといった場面に応じて使い分けられると語彙力が高いと言えます。
語彙力が高いと、商談や会議などで説得力が増し、有利に話を進められるように。
またTPOに応じて言葉を使い分けることで、知的で洗練された「大人の品格」を周囲の人に印象付けられるため信頼感アップに繋がります。
語彙力を高めるには少し時間がかかるため、今からでも日本語の勉強を始めるのがおすすめです。
忙しい社会人のための「日本語勉強ルーティン」
日本語を学ぶメリットがわかったところで、次は忙しい社会人のための「日本語勉強ルーティン」を紹介します。
日本語の勉強は、ルーティン化すると勉強に対する労力を少なくすることができます。「インプット編」と「アウトプット編」に分けたので、まずはインプット編から実践しましょう。
【インプット】読書を意識的に行う
日本語勉強における、もっとも効果的なインプットは「読書」です。
本を読むことで、文章の組み立て方やわかりやすい表現などが直感的に理解できるためです。
ただし「単に本を読むだけ」では勉強になりません。
日本語の勉強として読書をするなら、ストーリーを追うだけでなく「この表現、素敵だな」「この接続詞の使い方は真似できるかも」という視点で読んでみましょう。
読む本のジャンルは、小説・エッセイ・ビジネス書など、あなたが読みやすいと感じる本でOK。
「普段、本は読まない」という方は、最初は文章量の少ない本から読み始めて、少しずつ長文の本に挑戦しましょう。
意識的に読書を行うと想像以上に発見がありますよ。
【アウトプット】手帳やノートに「3行日記」をつける
日本語勉強でもっとも簡単なアウトプットは「3行日記をつける」こと。
今日あった出来事を学んだ語彙力を駆使し、意識して短く書くことで、言語化する習慣を身につけられます。
具体的な内容は
- 今日あった印象的な出来事
- それに対する感想・意見
- 明日に向けた言葉
がおすすめ。3行で収まらない場合は、少しオーバーしても問題ありません。
また3行日記をつける媒体は、紙の手帳やノートにペンで書きましょう。実際に「書く」という動作が良質なアウトプットになるためです。
「書く習慣がない」という方は、気に入った文房具を用意することから始め、書くこと自体を楽しみましょう。お気に入りの文房具を使うことで、日記を書くモチベーションも維持できますよ。
【文章力編】仕事で評価される「伝わる日本語」3つの鉄則
日本語の勉強ルーティンがわかったところで、次は高めたい力別に日本語の勉強ポイントを見ていきます。
まずは文章力を高めるための、仕事で評価される「伝わる日本語3つの鉄則」を解説します。
鉄則1:「結論ファースト」を徹底する
特にビジネスの現場では、結論を最初に書く「結論ファースト」を徹底しましょう。
社会人は仕事に追われているため、いつも忙しいですよね。メール1通においても、結論が最後に書かれていると読むのに時間がかかり、次第に相手をイライラさせてしまいます。あなたも経験があるはず。
そのため報告書やメールでは、最初に結論を書き、後の文で理由や説明など詳細を記述するようにしましょう。
結論が先に書いてあれば読む相手もイライラすることがなくなり、「何を言いたいのか?」がハッキリするため話も進めやすいです。
最初は慣れないかもしれませんが、文章を書く際は積極的に結論ファーストを意識しましょう。
鉄則2:1文は短く・修飾語は近くする
伝えたいことが多くなると、文章力が低い人は1文の中に情報を詰め込み過ぎてしまいます。
1文が長くなると結論ファーストを意識していても次の例文のように「結局、何が言いたいの?」と、相手に伝わりにくくなります。
例:先週ご相談いただいた新プロジェクトの件ですが、社内会議で検討した結果、予算の都合上スケジュールを2週間延期することになりましたので、修正したスケジュール表を添付いたしますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
そのため次のように、1文は短くまとめるよう意識しましょう。
例:先週ご相談いただいた新プロジェクトについて、社内会議で検討いたしました。予算の都合上、スケジュールを2週間延期させていただきます。修正したスケジュール表を添付いたしますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
目安は「1文60文字程度」。
そしてポイントは「意味の切れ目で句点(。)を打つ」こと。
多少長くなってもいいですが、なるべく60文字を目安にして文章をまとめると、受け取った相手もわかりやすくなります。
また修飾語(しゅうしょくご)が次の例文のように遠くにあると、構成によっては誤解を生み、本来伝わるはずの意味と違ってしまうことも。
例:怒った顔で、席を立った部長に課長が書類を渡した。
これでは「怒った顔」をしているのが部長なのか、課長なのかが分かりません。
改善例としては
例:席を立った部長に、怒った顔で課長が書類を渡した。
例:怒った顔で席を立った部長に、課長が書類を渡した。
が挙げられます。
ポイントは「修飾する文章の塊ごとに読点(、)を打つ」こと。
最初は難しく感じるかもしれませんが、勉強を続ける中で1文の長さや句読点を打つ位置の感覚を磨きましょう。
鉄則3:「主述のねじれ」と「てにをは」をチェックする
「主述のねじれ」とは「1文の中で主語と述語の組み合わせや関係性が合っていない(ねじれている)状態」のこと。
次の例文のような長い文章を書く際に、もっとも起こりやすいミスでもあります。
例:私の趣味は、休日にカフェ巡りをして、お気に入りの文房具を使って手帳を書きます。
主語の「趣味は」に対して、述語が「書きます(動作)」になっているため、日本語として噛み合いません。
改善例としては
例:私の趣味は、休日にカフェ巡りをして、お気に入りの文房具を使って手帳を書くことです。
が挙げられます。読んでみた際の違和感がなくなったことに気づきますよね。
長文を作成する際は、先ほど挙げた「鉄則2」を踏まえつつ、主述のねじれがないかも注意しましょう。
また「てにをは」とは、「は」「に」「を」などの、語句同士の関係性を示したり文章に一定の意味を与えたりする言葉のことです。
助詞とも呼ばれる短い言葉ですが、文章を作成する際には軽視できません。助詞を1つ間違えるだけで文章のニュアンスが変わったり、次の例のように読みづらくなったりするためです。
例:私は来週の会議は、この資料を使って発表をします。
「は」や「を」が連続して使われているため、読んだ際のリズムが悪く、幼稚な印象も相手に与えてしまいます。
改善例としては
例:私は来週の会議で、この資料を使って発表します。
が挙げられます。
「会議は」を「会議で」に変え、「発表をします」と「発表します」とスッキリさせることで引き締まった文章になりましたよね。
主述のねじれも「てにをは」も、長文作成時に陥りやすいミスです。
実際に長文メールや報告書を作成した際は、一旦読み返すなどして違和感がないか確かめてから提出しましょう。
【語彙力編】幼稚な表現から卒業!「大人の言い換え」習慣
次は、幼稚な表現から卒業するための「大人の言い換え」を習慣化するコツを紹介します。
普段、何気なく使っている言葉を少し変えるだけで、グッと大人っぽい印象にできます。積極的に以下のコツを取り入れましょう。
「すごい」「ヤバい」を解体する
「すごい」や「ヤバい」は、最近使われるようになった便利な言葉です。感動した際も驚いた際も「すごい」「ヤバい」という言葉なら簡単に表現できます。
でも、どうしても幼稚な印象を与えてしまうため、大人になったらこれらの言葉を解体することから始めましょう。
例としては
- すごい成果→目覚ましい成果・画期的な成果
- すごいスピード→迅速な対応・タイムリーな対応
- すごい技術→卓越した技術・類を見ない技術
- 人としてすごい→感銘を受ける・見習いたい
が挙げられます。
また「ヤバい」の言い換え例としては
- スケジュールがヤバいです→スケジュールが逼迫(ひっぱく)しております・納期に猶予がございません
- 予算的にちょっとヤバいかもしれない→予算の確保が危ぶまれる状況です・コスト面で懸念が生じております
- この本の解説、分かりやすくてヤバい→この本の解説は秀逸で、腑に落ちる内容ばかりです・目から鱗が落ちるような解説でした
- 先輩のプレゼン、マジでヤバかったです→先輩のプレゼンは非常に説得力があり、圧倒されました
が挙げられます。
「すごい!」「ヤバい!」と言いたくなったら、口に出す(文字に書く)前に1秒だけ立ち止まりましょう。
そして自分に「何が?(スピード?クオリティ?規模?)」「どうしてそう思うの?」と問いかける癖をつけるだけで、自然と大人の語彙力が引き出せるようになりますよ。
ビジネスで役立つ「大人の言い換え」を知る
「すごい」「ヤバい」の他にも、ビジネスの現場では大人の言葉に言い換えられるものが多いです。
- とりあえず→まずは
- さっき→先ほど
- なるほど→おっしゃる通りです
など、言い換えを挙げ始めたらきりがありません。
言い換えに役立つツールとして、この後紹介する書籍『誰からも「できる!」と思われる 大人の語彙力ノート』が役立ちます。
「大人の言い換え・言い回しを身につけたい」方は、まずは本書を一読するのもおすすめです。
辞書・類語辞典アプリを相棒にする
「話し言葉は問題ないけど、文章にするのが苦手」という方は、スマホに辞書・類語辞典アプリを入れて文章作成の相棒にしましょう。
辞書・類語辞典アプリがあれば、言い回しに迷った際にすぐ調べられ、類語(意味が似ている言葉)を使えるようになります。
おすすめの辞書アプリは「スマート辞書」。
読めない漢字にかざすだけで意味がわかる他、手書きでの文字検索にも対応しているため使いやすいです。
また代表的な類語辞典アプリは「Weblio類語辞典」。
更新は停止していますが貴重な日本語の類語辞典アプリなので「言い回しをもっと知りたい」という方はインストールしてみましょう。
言葉に詰まったり迷ったりしたら、辞書・類語辞典アプリを使い、その場ですぐ調べる癖をつけるのがおすすめです。
日本語力をもう一段アップ!おすすめ参考書
最後に、日本語力をもう一段アップさせるためのおすすめ参考書を紹介します。
「参考書に沿って、体系的に日本語力を向上させたい」という方は手に取ってみましょう。
20歳の自分に受けさせたい文章講義/古賀史健
文章力アップを狙うなら、古賀史健氏の『20歳の自分に受けさせたい文章講義』がおすすめ。
本書は、「話せるのに、書けない」と悩む方向けの1冊です。
ベストセラーでもある『嫌われる勇気』の著者・古賀氏によって書かれた1冊で、語るような口調をどうやって正確な文章に翻訳するかを徹底的に解説しています。
「リズム」「構成」「読者」「編集」とガイダンスを含めた5部構成になっており、「接続詞の正しい使い方」など、すぐに実践できる技術が多いのも嬉しいポイント。
「頭の中のアイデアを文章として書きだしたい」方は本書を手に取ってみましょう。
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新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング/唐木元
同じく文章力をアップさせたいなら、唐木元氏の『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』もおすすめです。
本書は「どこから書き始めればいいのか分からない」「 言い回しに悩んでなかなか書き終わらない」という悩みを解決する1冊。
「書く前の骨組み(構成)を作る」ことに重点を置き、悩まず文章を書くための書き方がわかりやすく解説されています。
ニュースメディアで新人教育を担当する著者が、書ける人が自然にやっている基本を誰にでも学べる方法として解説しているのが特徴。
企画書や報告書・レポート・ブログなどあらゆる文章に応用できるため、「メール作成やブロブ執筆をとにかくスピードアップさせたい」方に特におすすめです。
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私も実際に読みました。ブログを執筆する際にとても役立っています!
誰からも「できる!」と思われる 大人の語彙力ノート/齋藤孝
語彙力と共用を磨くためにおすすめなのは、齋藤孝氏の『誰からも「できる!」と思われる 大人の語彙力ノート』です。
本書は「『思います』『考えます』など、いつも同じ言葉が続いてしまう」「つい『大変』『すごい』などと使って、言葉が足らないと感じている」という方におすすめの1冊です。
日常の改まったシーンで使える言葉やビジネスシーンで使える言葉など、相手の気持ちに配慮した実践的な使い方が解説されています。
パラパラとめくるように読むだけでも語彙が増える、実用性の高い1冊でもあります。
「大事な会議や商談で、自分の表現の幼さにハッとした」という方は、本書を持っていると役立ちますよ。
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語彙力を鍛える 量と質を高めるトレーニング/石黒圭
同じく語彙力・教養を磨くのにおすすめなのは、石黒圭氏の『語彙力を鍛える 量と質を高めるトレーニング』です。
本書は、語彙を単なる単語の暗記ではなく、言葉の引き出しを根本から増やすための1冊。
語彙力のある人を「ただ単に『知っている言葉の数が多い人』」ではなく、「文脈に合わせて適切な語を選択する力を持った人」と定義。
また「語彙力=語彙の量×語彙の質」という方程式に沿って「量」「質」の両面を強化する22個のメソッドを紹介しています。
辞書の引き方や、読書からどうやって言葉を吸収すればいいのかといった勉強法そのものについても学べるため、日本語の勉強法に迷っている方に役立つ1冊です。
「漢字の読みと大人の言い回し、どちらも伸ばしたい」という方も手に取ってみましょう。
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まとめ:日本語は意識次第で「一生もの」の武器になる
今回は、日本語に自信がない社会人向けに、大人の語彙力・文章力を磨く勉強法についてまとめました。
日本語の勉強はインプットとアウトプットをルーティン化すると続けやすいこと。
また仕事で評価される「伝わる日本語」を使うには3つの鉄則を守り、大人の言い換えを習慣化すること。
さらに日本語力をもう一段アップさせるには、文章力と語彙力に特化した書籍を取り入れると、より効果的です。
日本語は意識次第で「一生もの」の武器になります。
まずは今日のメール1本を意識して、就寝前にはノートとペンを使って3行日記を始めてみましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!


